住宅地裏の大自然〜「横浜つながりの森」案内その1
横浜、と聞いた時、どんなイメージが浮かびますか?
みなとみらい、赤レンガ倉庫、山下公園、完成することのない横浜駅、外人墓地、山手の洋館……
確かにすべて横浜なのですが、今あげたような観光名所は横浜市内のごく一部、区でいうと西区、中区あたりに固まっています。横浜市には実は全部で18区存在するのですが(おそらく横浜市民でもなかなか全部言えないと思います)、それでは横浜市のその他16区には一体何が存在するのでしょうか。
答えをサクッと言ってしまうと、大半は住宅街です。無数の丘に張り付くように(横浜は丘が多い街です)延々と住宅が広がっており、駅の近くに商業地域がある、というパターンが延々繰り返されています。あとは海際の埋立地に大きな工場があるくらいのもの。
しかし、何事にも例外はあるものです。依鳩は横浜市の比較的南の方に住んでいるのですが、家から歩いていける範囲に、なんと比較的大規模な森、「横浜つながりの森」があるのです。横浜市には土地所有者の協力のもと、横浜市が保護・整備をして遊歩道などを整備する「市民の森」という制度があるのですが、横浜市南部の円海山を中心とした「つながりの森」は特に広大な緑地で、いくつかの「市民の森」がつながる形で広がっています。近所にあるにも関わらず今までこの森に行ったことはなかったのですが、新型コロナウイルスの影響で遠出ができない状況の中、運動不足解消の意味も込めて、この「つながりの森」に行ってみることにしました。
森全体の地図
この「つながりの森」は案内板や道しるべに地点番号が振ってあり、いまどこにいるのかが把握しやすくなっています。上の地図はF5の地点にあった案内板なので、左上にF5と大きく書いてありますね。もし万が一怪我などをした場合も、この地点番号を伝えれば現在地をすぐに伝えることができるそうです。
・峰市民の森
一番北側にあるのが「峰市民の森」。公共交通機関を使う場合は、横浜市営バスの10系統で森の入り口まで行けます(坂下または更新橋下車)。電車の場合は洋光台駅が一番近いようです。このあと紹介する森と比べると比較的小規模な市民の森ですが、なかなか険しい道もあったりします。近くには大岡川の水際まで降りられる「峰・せせらぎ遊歩道」もあります。このエリアでおすすめなのは、ちょっとわかりづらいところにある「細間休憩所」。ひとけがなく手入れされていない分、「秘密の場所」感が高めです。
・氷取沢市民の森
峰市民の森の南隣に広がるのが「氷取沢市民の森」です。南隣と書きましたが、峰市民の森から歩いて向かう際には「いっしんどう広場」の近くの入口まで住宅街の道を通って回り込む必要があります。
この森は峰市民の森と比べるとかなり広く、「つながりの森」を構成する市民の森の中でも一番面積が大きいです。以前は横浜市最高峰とされていた円海山や、横浜市南部から中心部にかけて流れる大岡川の源流域もこの森の中にあります。
森の中の高低差がかなりあり、特に円海山山頂近くを通る(円海山山頂は私有地のため入れません)尾根道から源流に近い大岡川のエリアに降りていく道はかなりの急斜面で、さらに雨のあとは足もとがぬかるむので、よく注意して歩きたいところです。また、去年(2019年)の台風の影響がまだ残っており、ところどころ通行不可能な場所があるのでご注意ください。
結構長くなってしまいましたので、他の森の紹介は記事を分けようと思います。
森の中を歩き、川の流れを眺め、自然に触れると塞いだ気分も明るくなるものです。お近くの方は「つながりの森」歩き、おすすめです。それではまた。