箱根駅伝の各区別歴代記録・往路(日テレ中継時計測ポイントタイムつき)

あけましておめでとうございます! 昨年はあまりブログを更新できませんでしたが……あまり気負ってもしょうがないので、マイペースに更新していこうと思います(笑)。本年も何卒よろしくお願いいたします。
本日は年始らしく、ということで箱根駅伝に関するネタを投稿したいと思います。2020年は年末にイベントがなく、2021年はイベント前にパソコンがぶっ壊れたために発刊できなかったのですが、以前「駅伝鳩2020」という箱根駅伝に関するコピー本を発刊したことがあります。このページではその「駅伝鳩2020」に掲載した各区別の歴代ベストタイムのデータを、最新データに更新した上で公開したいと思います(ここ数大会でかなり記録が更新されたのです)。日テレの中継では各区の途中で計測ポイントが設けられていますが、その計測ポイントでのラップタイムもまとめております。こちらのページでは往路の記録をまとめております。復路の記録ページはこちらからどうぞ。テレビ観戦のお供にこのページが少しでも役立ちましたら幸いです。
※第98回大会の記録を反映しました(2022/1/2)
※第99回大会の記録を反映しました(2023/1/3)
※第100回大会の記録を反映しました(2024/1/2)
※第101回大会の記録を反映しました(2025/1/2)
第1区 大手町読売新聞社前~蒲田~鶴見中継所 21.3km
箱根駅伝のオープニングを飾る1区は、大手町から蒲田を経由し、多摩川にかかる六郷橋を渡り鶴見に至る21.3km。全体的に平坦なコースのため、六郷橋前後のアップダウンが毎年勝負所となる。スタートからしばらくは集団走になることが多いので、他走者との接触などトラブルに巻き込まれないように気をつけたいところ。第95回大会(2018年)では大東文化大学の選手がスタート直後に転倒、痛む足を引きずり、大きく遅れながらも次の走者になんとか襷を渡すことに成功した。
この区間の区間記録は長らく第82回の東海大、佐藤悠基選手(当時2年)によるものだったが、第98回大会で16年ぶりに中央大学の2年生、吉居選手が26秒記録を更新した。
第1区歴代記録ベスト5(第48回以降)
蒲田(15.2km) | 鶴見中継所 | |
第98回 吉居 大和(中央大学2年) | 42:34 | 1:00:40 |
第100回 篠原 倖太朗(駒澤大学3年) | 43:15 | 1:01:02 |
第82回 佐藤 悠基(東海大学2年) | 43:12 | 1:01:06 |
第101回 吉居 駿恭(中央大学3年) | 43:07 | 1:01:07 |
第96回 米満 怜(創価大学4年) | 43:41 | 1:01:13 |
第70回 渡辺 康幸(早稲田大学2年) | 41:41※ | 1:01:13 |
第2区 鶴見中継所~横浜駅前~権太坂~戸塚中継所 23.1km
いわゆる「花の2区」。レースの流れを決める序盤である上に長い距離、そして権太坂、戸塚中継所前の急坂と攻略の難しいこの2区には各校のエースが集まる。各校のタイム差がまだ大きくないため、ごぼう抜きが起こりやすい区間でもある。ちなみにごぼう抜き記録は第85回、日大ダニエル選手の20人(!)。近年では各校から1名出場が認められている留学生がその健脚を競いあうイメージが強いが、2020年の第96回大会では東洋大の相澤晃選手が初の1時間5分台となる区間新記録を樹立した。東京国際大の伊藤達彦選手との長距離に及ぶ熱い競り合いの様子は、一部で「ランニングデート」と称されたとかなんとか。ただし、その記録も翌年の第97回大会にて、東京国際大のイェゴン・ヴィンセント選手があっさりと更新し、さらにその記録を同時に3人が更新した第101回の衝撃も記憶に新しい。
第2区歴代記録ベスト5(第59回以降)
横浜駅前(8.2km) | 権太坂(15.2km) | 戸塚中継所 | |
第101回 リチャード・エティーリ(東京国際大学2年) | 22:43 | 42:53 | 1:05:31 |
第101回 吉田 響(創価大学4年) | 23:02 | 43:17 | 1:05:43 |
第101回 黒田 朝日(青山学院大学3年) | 23:03 | 43:12 | 1:05:44 |
第97回 イェゴン・ヴィンセント(東京国際大学2年) | 22:42 | 42:47 | 1:05:49 |
第96回 相澤 晃(東洋大学4年) | 23:07 | 43:15 | 1:05:57 |
第3区 戸塚中継所~藤沢~茅ヶ崎~湘南大橋~平塚中継所 21.4km
戸塚から遊行寺坂を下り、浜須賀の交差点から平塚まで海沿いを走る。最も「湘南」を感じさせるコースかもしれない。海沿いは防砂林があるものの、終盤の湘南大橋などでは毎年強めの風が吹くのでその対策が必要。また往路の中では最も気温が上がりやすい区間でもある。エースが故障明けで、距離に多少の不安がある際などにこの区間に配置されることが見受けられる。2区までの流れがよかったチームはそれを活かせるかどうか、悪かったチームは上昇のきっかけを掴めるか、各校の戦略も試される区だと言えるだろう。第96回のイェゴン・ヴィンセント選手は驚異の1時間切りを達成した。
第3区歴代記録ベスト5(第48回以降)
藤沢(7.6km) | 茅ヶ崎(14.3km) | 湘南大橋(18.1km) | 平塚中継所 | |
第96回 イェゴン・ヴィンセント(東京国際大学1年) | 20:40 | 39:30 | 50:19 | 59:25 |
第100回 太田 蒼生(青山学院大学3年) | 20:41 | 39:38 | 50:32 | 59:47 |
第100回 佐藤 圭汰(駒澤大学2年) | 21:03 | 40:00 | 50:54 | 1:00:13 |
第101回 本間 颯(中央大学2年) | 20:54 | 40:14 | 51:05 | 1:00:16 |
第101回 スティーブン・ムチーニ(創価大学3年) | 21:04 | 40:22 | 51:26 | 1:00:51 |
第4区 平塚中継所~二宮~小田原本町~小田原中継所 20.9km
平塚中継所から細かなアップダウンを繰り返し、最後は緩やかに登り始め、山登りの雰囲気をほんのり感じさせながら小田原中継所までをつなぐ4区。第82回~第92回は中継所が平塚側に変更され、18.5kmと唯一20kmを切る区間だったために各校のスピードランナー達が集まったが、第93回以降は第81回以前の距離に戻された。細かなアップダウンでペースを乱されやすい難コースだ。現状のコースと同じ距離だった第75回では現駒澤大学コーチの藤田敦史選手が1:00:56という大記録を残していたが、第95回ではこの記録を東洋大学の相澤晃選手が見事2秒更新した。そして第96回では青山学院大学の吉田祐也選手が区間記録をさらに24秒更新する快走。吉田選手は大学で競技を終える予定だったが、この快走と別府大分毎日マラソンでの快走により内定を辞退し競技を継続することとなった。第99回のヴィンセント選手は惜しくも1時間切りはならなかったものの驚異的なタイムを再び残し、最強の留学生という肩書きを確固たるものとした。
第4区(現コース)歴代記録ベスト5(第67~81回(参考記録)、94回以降)
二宮(9.1km) | 酒匂橋(15.4km) | 小田原中継所 | |
第99回 イェゴン・ヴィンセント(東京国際大学4年) | 24:50 | 42:59 | 1:00:00 |
第101回 太田 蒼生(青山学院大学4年) | 25:08 | 43:23 | 1:00:24 |
第96回 吉田 祐也(青山学院大学4年) | 25:22 | 43:30 | 1:00:30 |
第99回 太田 蒼生(青山学院大学2年) | 25:25 | 43:27 | 1:00:35 |
第95回 相澤 晃(東洋大学3年) | 25:31 | 50:33※ | 1:00:54 |
第5区 小田原中継所~箱根湯本~大平台~小涌園前~芦ノ湯~元箱根~芦ノ湖 20.8km
ご存じ箱根駅伝名物、山登り区間の5区。20.9kmのコースの中で、何と800m以上も駆け登る。先ほど4区の項でも触れたが、第82回~第92回は距離が23.2kmに延長され、最長区間となっていた。しかし全体に対してあまりにも5区の比重が大きすぎるということで、元の距離に戻されたとのこと。近年ではこの区間を好走するとその走者は一般民衆から「山の神」と崇め奉られる。歴代の山の神としては、第81~83回順天堂大の今井正人選手、第85~88回東洋大の柏原竜二選手、そして第91~92回青山学院大の神野大地選手の3人が挙げられることが多い。1931年に完成した函嶺洞門と呼ばれるトンネルがコースの名所の一つだったが、老朽化のため通行禁止となり、今はバイパスを通るコースに変更されている。5区のコースの中でも、宮ノ下富士屋ホテル付近の坂は最も勾配がきついことで知られ、ランナーたちはここでどれだけ粘れるかが重要なポイントとなっている。そして登りのイメージが強くどうしても忘れられがちだが、国道1号の最高地点を越えた後4kmほど下りがあることもこのコースの大きな特徴だ。第81回以前の距離に戻されたこのコースの記録の目安となるのは、初代山の神、今井正人選手が第81回に残した1:09:12というタイムだったが、第101回青山学院大の若林宏樹選手が見事に上回って見せた。
第5区(現コース)歴代記録ベスト5(第76~81回(20mほど現在より短いため参考記録)、94回以降)
函嶺洞門(3.5km) | 大平台(7.0km) | 小涌園前(11.7km) | 芦之湯(15.8km) | 元箱根(18.7km) | 芦ノ湖ゴール | |
第101回 若林 宏樹(青山学院大学4年) | 10:36 | 22:12 | 39:13 | 54:06 | 1:02:37 | 1:09:11 |
第81回参考 今井 正人(順天堂大学2年) | (ポイント計測なし) | 22:28 | 39:14 | 53:40 | (ポイント計測なし) | 1:09:12 |
第100回 山本 唯翔(城西大学3年) | 10:52 | 22:21 | 38:56 | 53:52 | 1:02:39 | 1:09:14 |
第101回 工藤 慎作(早稲田大学2年) | 10:35 | 22:19 | 39:27 | 54:25 | 1:02:53 | 1:09:31 |
第100回 若林 宏樹(青山学院大学3年) | 10:51 | 22:33 | 39:31 | 54:28 | 1:03:05 | 1:09:32 |
(第82~93回旧コース参考)
箱根湯本(5.0km) | 大平台(9.5km) | 小涌園前(14.3km) | 芦之湯(18.3km) | 元箱根(21.2km) | 芦ノ湖ゴール | |
第91回 神野 大地(青山学院大学3年) | 14:47 | 29:30 | 46:16 | 1:00:55 | 1:09:31 | 1:16:15 |
第88回 柏原 竜二(東洋大学4年) | 15:06 | 29:34 | 46:35 | 1:01:15 | 1:10:02 | 1:16:39 |